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学習まんが『藤野先生と魯迅』刊行のお知らせ!!

平成30年(2018)11月初旬、株式会社ポプラ社より、加来が企画・構成・監修いたしました、「学習まんが 歴史で感動!」シリーズ第3弾、『藤野先生と魯迅 海を超えた師弟の交流 日本と中国の絆』が、いよいよ刊行となります。

 本作の主人公である「藤野先生」が福井生まれということで、原作をご担当いただいたのも、福井出身で、「ふくい歴女の会」の会長を務めておられる歴史家の後藤ひろみさんです。福井をはじめ日本史全般に精通しておられ、加来が企画・構成・監修をさせていただいている「コミック版 日本の歴史」シリーズにおきましても、原作を幾つも手掛けていただいております。
 作画は、「コミック版 日本の歴史」シリーズでおなじみの中島健志先生です。これまでにも、『横井小楠』『由利公正』『橋本左内』『松平春嶽』といった福井関連の偉人たちを多数描いてくださっており、原作の後藤さんとは、『松平春嶽』以来、2回目のタッグとなります。

 本作は、中学や高校の教科書にも登場する、中国の文豪・魯迅と、彼が師として仰いだ藤野先生との、海も国境も時代も超えた交流を描いた物語です。
 魯迅はもともと、医学を志していましたが、仙台医学専門学校(現・東北大学医学部)への留学時に文学にひかれ、のちに、『狂人日記』や『阿Q正伝』といった小説や論文を記しました。
 彼が留学中に師事していたのが、旧芦原町(現・福井県あわら市)出身の医師・藤野厳九郎でした。生涯の師として仰いだ魯迅は、帰国後に、小説『藤野先生』を著し、当時の思い出を綴っております。
 魯迅が藤野先生のもとで学んでいたのはたったの1年半であり、その後ふたりは再会することはありませんでした。しかし魯迅は、「もっとも私を感激させ、もっとも私を励ましてくれたひとり」として藤野先生を慕い、その言葉や面影をいつも胸に抱き、最期まで思い続けていました。一方の藤野先生も、当時、日本でブームとなっていた『魯迅選集』の中の『藤野先生』とは、自身のことであったことを知り、海のむこうにいるかつての教え子に、思いを馳せたといいます。
 本作では、藤野先生と魯迅のそれぞれの生涯や人物像を描くとともに、ふたりの心の交流や逸話を丁寧に描写し、さらには、藤野家と幕末の福井藩との繋がりや時代背景なども幅広くご紹介しております。

 加来は、「コミック版 日本の歴史」シリーズにて、福井ゆかりの人物を多数取り扱ってきただけでなく、本年の1月からは、「福井新聞」にて、越前福井藩出身の由利公正(三岡石五郎)を主人公とした歴史小説『鸞翔ぶ』を毎週日曜日に連載させていただいております。このように福井とのご縁に恵まれ、本作の刊行へと繋がり、加来は大変光栄に思っております。そのため、この1冊を通して、県内はもとより、あわら市と「友好市町」提携している紹興市(中国・浙江省)をはじめ、中国の小・中学生にも、幕末の福井や明治の日本のことをもっと知ってもらえたら、という願いを込めて手掛けさせていただきました。

 また、制作に際しましては、膨大な史料を研究するだけではなく、制作チームの全員で藤野厳九郎ゆかりの地を実際に訪れ、取材も行いました。あわら市の藤野厳九郎記念館、厳九郎生誕の地、藤野家の菩提寺、さらに、厳九郎が通った龍翔小の外観をモデルとした坂井市のみくに龍翔館などを訪れ、関係者へのインタビューもいたしました。この取材で見聞きしたことを、作中にふんだんに取り入れておりますので、まんがから解説ページに至るまで、大変充実した内容となっております。
 中島先生も、現地で撮影した数多くの写真をもとにして、作画に取り組んでくださったため、風景や部屋の細部に至るまで、非常にリアリティ溢れる仕上がりとなっております。

 ついでながら、「学習まんが 歴史で感動!」シリーズからは、『エルトゥールル号遭難事件 日本とトルコの絆』と『ポーランド孤児を救った日本赤十字社』も、すでに刊行されております。
 こちらのシリーズは、「感動」をキーワードとして歴史上の出来事を取り上げ、日本と外国の心温まるエピソードをお届けすることで、皆さまに、歴史をもっと好きになっていただきたい、という思いから加来が立ち上げさせていただきました。お子さまはもとより、お子さまをお持ちの保護者の方、社会人の方も、どなたでも楽しんでいただけることと存じますので、ぜひ、お手に取ってご一読いただけますと幸いです。

【ポプラ社 学習まんが 歴史で感動!『藤野先生と魯迅 海を超えた師弟の交流 日本と中国の絆』】

(平成30年11月13日 加来耕三事務所 岡本あゆ美)

 

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