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加来が「チャレンジふくしまフォーラム in 関西」にて講演を行ってまいりました!!

 去る平成30年(2018)8月22日(水)に、福島県が主催(共催は京都新聞)の「チャレンジふくしまフォーラム in 関西 ~歴史と食でつながる関西・福島~」が、滋賀県大津市の琵琶湖ホテルにて開催されました。ありがたいことに加来もお招きいただき、「戊辰150年 福島県が明治維新に与えた影響」と題して、記念講演をさせていただきました。

 早いもので、東日本大震災から7年が経過いたしました。福島県には未だに、多くの課題が残っているものの、復興は着実に前進しています。この度のフォーラムは、福島県のチャレンジや復興の状況、食・観光・魅力を直接お伝えしつつ、関西地方の方々に、これまでの支援に対する感謝の思いを届けることを目的として実施されました。

 講演、トークセッション、福島県産品試食・販売、福島県産食材を使った料理や日本酒をふるまう交流会など、いずれも非常に有意義な催しだったようですが、加来が最も印象深かったのは、福島県知事・内堀雅雄氏の冒頭講演でした。図抜けて、お上手だったようです。パワーポイントを用いながら、まず総論を述べ、続いて淀みのない説明。声も、現職アナウンサーかと思うほど聴きやすく、そのあとで講演をした加来は、今日ほどやりにくい講演はなかった、と申しておりました。

 そしてもうひとつ、彦根東高等学校新聞部の皆さまが、会場に足を運んでおられたことも印象的だったようです。同部が発行する新聞を数種類、加来が持ち帰ってまいったのですが、拝見した私も、ただただ感心するばかりでした。
 まず感激したのは、この7年間、連載「福島をつなぐ」と題した震災関連記事を1面に大々的に掲載し、震災からの復興を継続的に報じてきたという点でした。
 さらにページをめくると、地域の最新ニュースはもちろん、文化面あり、スポーツ面あり、特集あり、さらには「社説」ならぬ「部説」まであり、まるで、全国紙や地方紙さながらの出来栄えでした。せっかくですので、ここで、本年5月14日(月)付の「部説」の一部をご紹介させていただきます。

 「震災のことを忘れてしまいたい」という声も多い。(中略)本当につらい経験をしたとき、人はそれを忘れることで自己を守ろうとする。それは仕方のないことだ。(中略)私たちにできることは多くはないが「震災を忘れたい」と思う人たちの代わりに震災を記憶し続け、「震災を忘れたくない」と思う人たちの努力を知り続けることはできるだろう。私たちが震災を忘れてはいけないのだ。

 いかがでしたでしょうか。当時、茨城県在住であり、現地で被災した私でさえも、日常生活を送る中で、あの日の記憶を思い起こす頻度は、確実に減っているのが現状です。一方、震災を現地で体験していない彦根の高校生の皆さんが、しっかりと問題意識を持ち続け、これほどまでに思いのこもった記事を執筆されていることに、目頭が熱くなりました。
 これからも、同部の皆さんが、震災や福島の復興についてメッセージを送り続けていかれること、そしてその思いが、多くの方の心に届くことを願ってやみません。

 加えまして加来は、この度のフォーラムにて、復興の現状を伝える小冊子や観光案内パンフレット、各種イベントに関するチラシなど、たくさんの資料を頂戴してまいりました。
その中で、私が興味深く拝見させていただいたのは、「ふくしままっぷ」でした。折りたたみ形式の大型の地図であり、写真を一切使わず、全て手書きの文字とイラストで作られております。震災後、国内外の多くの方々と繋がりを広げてきた福島を、もっと広く知っていただくために県が制作したそうで、福島の基礎情報・食・自然・工芸品・ゆかりの著名人といった福島の魅力がたくさん記されております。また、震災後に県内外の方々から寄せられたメッセージも多数掲載されておりました。

 この「ふくしままっぷ」を手掛けられたのは、イラストレーターの寄藤文平さんです。私事ですが、寄藤さんとは、前職の頃にわずかながらご縁をいただいておりましたので、このような形で作品を拝見する機会に恵まれましたことを、大変嬉しく思った次第です。
 下記ホームページより、「ふくしままっぷ」のPDFデータがご覧になれますので、ぜひ、圧巻の全貌を楽しんでいただければと存じます。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/01010d/fukushima-map.html

 フォーラムのご関係者の皆さま、彦根東高等学校新聞部の皆さま、そして、会場にお越しくださった全ての皆さまに、心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました!

(平成30年9月4日 加来耕三事務所 岡本あゆ美)

 

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