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歴史に学び、未来を読む

歴史まんが『魯迅(ろじん)と藤野先生』の制作、順調です!!

 このコーナーでも度々ご紹介させていただいておりますように、加来は現在、コミック版日本の歴史シリーズの企画・構成・監修を担当させていただいておりますが、実は、並行して幾つかの、歴史まんがシリーズを手掛けさせていただいております。そのひとつが、「学習まんが 歴史で感動!」シリーズです(こちらもポプラ社刊)。これまで、『エルトゥールル号遭難事件 日本とトルコの絆』と『ポーランド孤児を救った日本赤十字社』を刊行させていただき、ともに好評いただいております。そしてこの11月に、第3弾『魯迅と藤野先生~日本と中国、海を越えた師弟の絆~』(仮)が発売予定となっております。

 中学・高校の教科書にも登場する中国の文豪・魯迅は、もともとは医学を志していました。日本の仙台医学専門学校(現・東北大学医学部)への留学時に文学にひかれ、のちに、『狂人日記』や『阿Q正伝』といった小説や論文を著しました。
 彼が、留学中に師事していたのが、旧芦原町(現・福井県あわら市)出身の医師・藤野厳九郎でした。生涯の師として仰いだ魯迅は、小説『藤野先生』を著して、当時の思い出を綴っています。

 『魯迅と藤野先生~日本と中国、海を越えた師弟の絆~』(仮)では、藤野厳九郎と魯迅の国境を越えた心温まる交流や、厳九郎の人物像や逸話、藤野家と幕末の福井藩との繋がりなどを、幅広く取り上げたいと考えております。

 さて、ここで制作チームのメンバーをご紹介させていただきます!
 まず、原作をご担当いただくのは、福井県出身で、「ふくい歴女の会」の会長を務めておられる後藤ひろみさんです。これまでに、コミック版日本の歴史シリーズの『松平春嶽』『篤姫』および『大谷吉継』(10月刊行予定)の原作もご担当くださっております。福井をはじめ日本史全般に精通しておられる一方、料理の達人でもあり、現在は、福井市のベーカリーカフェや県立歴史博物館内のカフェなども経営されております。
 作画は、コミック版日本の歴史シリーズでおなじみの中島健志先生。『横井小楠』『由利公正』『橋本左内』『松平春嶽』(刊行順)といった、福井の偉人たちを多数描いてくださっており、後藤さんとは、『松平春嶽』以来、2回目のタッグとなります。
 編集は、同シリーズを専属でご担当くださっている、ポプラ社の森田礼子さん。後藤さんとは、同世代かつ福井県出身同士であり、打ち合わせの度に、福井トークに花を咲かせていらっしゃいます。
そして、企画・監修を務めさせていただくのが加来です。同シリーズにて、福井ゆかりの人物を複数取り扱ってきただけでなく、本年の1月からは「福井新聞」にて、越前福井藩出身の由利公正(三岡石五郎)を主人公とした歴史小説『鸞(らん)翔(と)ぶ』を毎週日曜日に連載させていただいております。このように福井とのご縁に恵まれ、本作の企画へと繋がり、加来は大変光栄に思っている次第です。

 そしてこの度、制作チーム全員で、藤野厳九郎ゆかりの地を訪れ、取材を行なってまいりました! あわら市の厳九郎生誕の地や、藤野家の菩提寺、厳九郎が通った龍翔小の外観をモデルとした坂井市のみくに龍翔館などを訪れ、関係者へのインタビューも行いました。加来は現地取材に、すでに二度訪れているため、この度はあわら市の藤野厳九郎記念館から取材に合流し、胸像と再会したり、厳九郎が晩年を過ごした住宅を改めて見学したりしながら、彼の人生に思いを馳せました。
 7月26日(木)・27日(金)の取材の様子は、27日(金)付の『県民福井』および8月2日(木)付の『福井新聞』にて、紹介してくださっております。

 取材中に後藤さんは、魯迅に多大な影響を与えた厳九郎について、「村医として淡々と生きた晩年や漢学への深い理解など、多面的に紹介したい」と熱く語っておられました。300枚以上の写真を撮影した中島先生は、今回の取材を細かい描写に反映させたい、と構想を膨らませておられたとのこと。加来も本作を通して、県内はもとより、あわら市と姉妹都市提携の紹興市(中国・浙江省)をはじめ、中国の小・中学生にも、幕末の福井や明治の日本のことをもっと知ってもらえたら、と意気込んでおります。

 制作チーム全員が情熱を注ぐ渾身の一作『魯迅と藤野先生~日本と中国、海を越えた師弟の絆~』(仮)に、皆様、乞うご期待くださいませ!

(平成30年8月3日 加来耕三事務所 岡本あゆ美

 

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