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コミック版日本の歴史『戦国人物伝 藤堂高虎』刊行のお知らせ!!

 平成30年(2018)12月中旬、株式会社ポプラ社より、加来が企画・構成・監修いたしました、コミック版日本の歴史67巻『戦国人物伝 藤堂高虎』が、いよいよ刊行となります。

 原作は、同シリーズでおなじみの水谷俊樹先生であり、直近では、『大久保利通』『島津斉彬』『木戸孝允』などを手掛けておられます。かたや作画は、シリーズ初登場の横山仁先生です。代表作には、『戦国ゾンビ』『幕末ゾンビ』『大帝の剣』などがあります。横山先生は、勇ましくワイルドな作風に特徴があり、本作の主人公である戦国武将・藤堂高虎のイメージにぴったりだと存じます。

 近江国(滋賀県)で生まれた高虎は、体格に恵まれ、身長約190㎝を誇る大男であり、若き頃より武勇に優れていました。そのため、私と同じように、「猛将」という印象を抱いておられる方も多いのではないでしょうか。
 また、主君を何度も替えた武将としても知られ、「世渡り上手」という一面も見受けられます。後世、「不義理者」「変節漢」といった不当に低い評価をされることもありましたが、高虎が主君を替えたのは、仕えていた家の滅亡や主君の死などが理由であり、仕えた主君に対して、高虎は自ら裏切ったことは一度もありませんでした。
 戦の合間には勉学にも励み、算術・兵術・鉄砲術・築城術なども学んで、知勇兼備の武将へと成長していきます。築城においては特に才能を開花させ、のちに、加藤清正・黒田孝高(官兵衛)とともに、「三大築城名手」として、その名を馳せるまでになりました。現在、「日本100名城」に選ばれている、宇和島城・今治城・大洲城・江戸城・伊賀上野城・丹波篠山城・大坂城・二条城なども、高虎が関わった城として知られています。

 のちに、伊勢津藩(三重県)初代藩主にまでなった高虎は、一見、生まれもった体格や才能に恵まれて、立身出世を成し遂げたようにも思えるかもしれません。ですが高虎は、不遇の時期を経験しながらも、幼き頃よりずっと、人一倍働き、学び、天下泰平を願って、懸命に努力を重ねてきた人物でした。本作をお読みいただければ、高虎のそうした人柄や生涯を、コミックで分かりやすく学ぶことができるかと存じます。

 なお、コミック版日本の歴史シリーズの読者の皆さまにぜひご注目いただきたいのは、第4章の「天下分け目の戦い」=関ヶ原の合戦において、東軍に属した高虎が、西軍の大谷吉継率いる軍と戦うシーンです。同シリーズの66巻『大谷吉継』の作中では、吉継が自決し、その首を家臣が土に埋めるところを藤堂高刑(高虎の甥)が目撃するも、家臣の思いに胸を打たれて見なかったことにする、というエピソードが描かれております。本作『藤堂高虎』では、この場面が藤堂側から描かれており、高刑の心中を汲み取った高虎の、男気溢れる対応に胸を打たれます。ぜひ、2冊あわせてお読みいただき、感動のシーンを双方から味わっていただければと存じます。

 また、コミック版日本の歴史シリーズには、高虎が仕えた『豊臣秀吉』『徳川家康』『徳川家光』をはじめ、戦国時代関連のタイトルが多数ございますので、併読を賜われればなお、ありがたく存じます。
 お子さまはもとより、お子さまをお持ちの保護者の方、社会人の方も、歴史が好きな方であればどなたでも楽しんでいただけます。ぜひ、お手に取ってご一読いただけますと幸いです。

【ポプラ社 コミック版日本の歴史『戦国人物伝 藤堂高虎』】

     (平成30年12月10日 加来耕三事務所 岡本あゆ美)

 

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